だけど、どこか切なくて。


胸が締めつけられる。


どうして震えているの……?


キミは苦しんでいるの?


それは……あたしの、せい?


ふっとまぶたが軽くなって、ゆっくりと目を開ける。


眩しい光がキラキラと辺りを照らしているのがわかった。


目が眩んで視界がはっきりしない。


「菜都……!?」


「う、ん……」


だ、れ……?


ううん、知ってる。


あたしはこの人を知ってる。


「あき、と……?」


そう言った瞬間、頬に添えられた手の震えが止まった。


晶斗……なんだよね?


視界がはっきりしなくて、確信はないけれど。


「ああ……そうだ。俺、だよ」


「泣いて、るの……?」


「泣いて、ねーよ」


「そ、う?」


口が動かしにくくて、たどたどしい話し方になってしまう。


手を動かそうとしてみたけど、わずかに指に力が入る程度で浮かせることができない。