晶斗の目から涙がこぼれ落ちた。


初めて見る泣き顔に、ひどく胸が痛む。


どうしてそんなに優しいの?


あたしのことを想ってくれるの……?


助かる未来があるなら、あたしだってそれを信じたい。


でも、保証もなにもないのに簡単には信じられないよ。


晶斗は腕でゴシゴシ涙を拭うと、あたしの目にこぼれる涙もそっと拭いてくれた。


優しい手の温もりに胸が熱くなる。


この手がいつか他の誰かのものになってしまうなんて、考えたくない。


だったら、あたしもーー。


晶斗の隣にいられる未来を信じなきゃダメなんじゃないの?


余命がどうこうって考えるよりも、誰よりもあたし自身が自分の未来を信じなきゃいけないんじゃないの?


奇跡が起こって助かるって、なんの根拠もないけど信じなきゃ……。


なにも始まらないんじゃないの……?


もうどうにもならないってわかりきってるけど、あたしだって本当は信じたい。


明るい未来をーー。


大好きなキミの隣で笑っていられる未来を……信じたいんだ。