そもそも、あたしが今ここにいるということは、奏の魂はどこへ行ってしまったんだろう?


体の奥深くにいるかもしれないと思い、奏を呼んでみる。


しかし、返事はなかった。


小説や漫画のように1つの体に2つの魂が入っているようでもなさそうだ。


じゃぁ、奏の魂をあたしが追い出してしまったとか?


そうだとしても、そうなってしまう理由が全くわからない。


しばらく悩んでいたあたしは力なくベッドに座り込み、大きくため息を吐き出した。


ある日目が覚めたら別人になっていました。


なんて、現実の世界で起こるなんて思ってもいなかった。


よりにもよって、あたしをイジメていた人物になってしまうなんて、最低だ。


大きくため息を吐き出して両手で顔を覆う。


その時だった。


「奏! 遅刻するわよ!!」


そんな声が部屋の外から聞こえてきてあたしはハッと顔をあげた。


遅刻……そっか、今日も学校があるんだっけ。


だけどこんな状態で行けるワケがない。


そう思う反面、学校へ行けば今自分の体がどうなっているのか知る事ができるかもしれないという期待があった。


「よし、行こう」


あたしは自分に気合を入れるようにそう呟き、制服を手に取ったのだった。