好きな人に貢いで、人を傷つけてお金を奪って。


そんな自分が心底嫌だと感じた。


死にたいと、あたしはあの時本気で思った。


「記憶がないって、どういう……?」


「あたしに聞いたってわかんないってば!」


奏に怒鳴られてあたしはそれ以上質問することができなくなってしまった。


てっきりあたしの体に入り込んでいるのだと思っていたのに、どうやら違うらしい。


あたしの体がどんな状態にあるのか、結局わからないままなのだった。