目が覚めると小花柄の天井が見えた。


あたしは横たわったまま瞬きを繰り返す。


知らない天井に困惑し、視線だけを移動させた。


とても広い部屋。


洋館を思わせるような猫足の家具が見える。


どれもアンティーク調のおちついた色合いで、天井には見慣れないシャンデリアが下がっていた。


ハッと大きく息を飲み込み、勢いよく体を起こした。


ベッドが大きい。


これもアンティーク調のおしゃれなベッドだった。


「ここ、どこ!?」


そう言った瞬間喉を押さえる。


自分の声じゃない。


少し低くて男っぽい声だ。


あたしは転げるようにしてベッドを出ると部屋の中を見回した。


12畳ほどありそうな広い部屋は綺麗に片付けられていて、ホコリ1つない。


部屋の隅に鏡が置かれている事に気が付き、あたしは駆け寄った。


「……浩志……?」


鏡に映っていたのはパジャマ姿の浩志だったのだ。


あたしは鏡を食い入るように見つめて手足を動かしてみる。


鏡の中の浩志が同じように動いている。


間違いない、あたしは浩志になっている。