目覚める度に、傷ついて

あたしを見た穂月が驚いたように声を上げ、ベッドまで駆け寄って来た。


その手はミカちゃんの手をしっかりと握りしめている。


「穂月と……ミカちゃん……?」


「そうだよイツキ。夏斗から話を聞いた後もずっと目が覚めないから心配したんだよ」


穂月がそう言い、あたしの頭は混乱した。


「穂月の体に入っていたのは、6日前の事なんだよ」


夏斗がそう言った。


「6日前!?」


「そう。それからイツキは誰の体にも入り込んでなくて、一体どうしたのかと思って心配して毎日こうしてみんなでお見舞いに来てたんだ」


6日間あたしはただ眠っていたようだ。


トンネルの中で見て来た6人分の映像を思い出す。


あたしは眠りながらもみんなの夢を見ていたようだ。


「穂月、お前も言う事があるんじゃないのか?」


夏斗にそう言われて、穂月は緊張した表情を浮かべた。


ミカちゃんの手を離し、あたしを見る。


「今まで本当にごめんなさい。イツキが知っている通り、あたし両親の事で傷ついてて、イツキに八つ当たりをしてた。謝って済むなんて思ってない。本当にごめん」


そう言って、穂月は誰よりも深く頭を下げた。


「もういいよ、穂月」


あたしは手を伸ばして穂月の手に触れた。


さきまでミカちゃんの手を握りしめていたから、とても暖かく感じられる。


「でも……!」


頭を上げた穂月は泣いていた。


頬に行く筋もの涙が伝っている。


「もうイジメは終わったんでしょ?」


あたしはその言葉をミカちゃんへ向けて言った。


ミカちゃんは大きく頷き、そしてとても幸せそうにほほ笑んだ。