プライドが邪魔をして本当の自分をさらけ出すことができない。


そんな事もあるかもしれない。


「あたしたち、卒業するまでずっと司たちの下で言いなりにならなきゃダメなのかな」


そう言う奏にあたしはほほ笑んで見せた。


「大丈夫だよ、俺がなんとかする」


「なんとかって……」


奏は呆れたような顔であたしを見た。


次は司か穂月になればいいんだ。


そしてイジメの原因を探ればいい。


力でねじ伏せているだけのクラスカーストは、一刻も早く壊すべきだ。


「奏は一生懸命勉強を頑張って。3年生になって推薦を受けるんだろ?」


「……うん」


奏は不安そうな表情を浮かべたまま、頷いたのだった。