「ユメノ。お父さんもお母さんも、お前がどんな夢を描こうとそれを応援するよ。アイドルになるという夢を押し付けてしまっていて、本当に悪かったと思ってる」


「……お父さん」


胸の奥がジンワリと暖かくなるのを感じる。


「ユメノ。あなたはあたしたちのたった1人の娘なの。夢は大切だけど、それによって傷つくような事があればすぐに言ってほしいわ」


「お母さん……」


2人とも、ユメノのことをすごく大切にしているのだ。


暖かくて、優しい家族。


この2人がいるなら、ユメノはきっと大丈夫だ。


あたしはそう思い、後部座席でそっとほほ笑んだのだった。