あたしは一瞬動きを止めて神崎さんを見た。


神崎さんは驚いた表情であたしを見ている。


これでユメノのデビューは閉ざされたんだろうか?


そう思うと少しだけ胸が痛んだ。


だけど、こんな事務所からデビューした所でまともなアイドルになれるなんて思えなかった。


デビュー後もっとひどい扱いを受けることになるかもしれないのだ。


そう判断し、あたしはレッスン場から逃げ出したのだった……。