どうしよう。


誰かに聞いたら教えてくれるのかな?


そう思ってキョロキョロと周囲を見回していると、1人の女の子が声をかけて来た。


まだ小学生くらいの小さな子で、あたしを見つけた瞬間目を輝かせて駆け寄って来た。


「ユメノお姉ちゃん!」


ブルーのワンピース姿のその子はニコニコと笑顔を浮かべている。


ユメノの妹……?


それにしては全く似ていない。


「今日のレッスン、一緒だよね?」


そう聞かれて、あたしは咄嗟に頷いていた。


本当はどうなのか知らないけれど、一緒という言葉に安堵する。


この子も芸能事務所に所属している子みたいだ。


一緒のレッスンと言う事は、この子について行けばいい。


あたしは女の子の少し後ろから歩き始めた。


どうやら女の子は先月芸能事務所に入って来たばかりで、ユメノのレッスン風景を見てユメノに憧れているようだ。


だから『お姉ちゃん』と呼ぶのだと、納得できた。