「正直、彼女の存在は私には重かったのかも…自分の事だけでも手に余るのに、他人の面倒なんてとても見れなかった。アリーは度々私を呼び付けてはヒステリーを起こして、過呼吸になっては倒れた。」
 アリーは淋しかっただけなのに…姉は呟いたが、その横顔はどこか穏やかに見えた。
 「類は友を呼ぶじゃないけどさ、周りはうまく社会に溶け込めない奴やコミュニケーションのへたな子ばかりだったから、アリーもその一人にすぎなかった。そして私も。」
 
 アリーのリストカットは姉には止めようがなかった。彼女は自分を傷つける事でしか、自分を肯定できずにいた。