椿「まったくもぉ~早すぎだよ~」
?「うるせぇ」
椿と呼ばれていた人は眼鏡を取ると、
スイッチが切れたかのように
性格が変わっていた。
隣にいる人は相変わらず無表情だし、
なんなのこの人達…
それに……なんで、私はこの人の膝の上にいるのかな?
?「…お前、木見谷棗の娘だな」
「っ」
私は思わず自分の胸を押さえた
その名前を聞いた瞬間、息が出来なくなった。
?「あの人には世話になった…今はどこに…」
「死んだ」
?「は?」
男の言葉を遮って私はそれだけを言った。
結局、こいつらもお父さん目当てってわけ?
いつもいつもあの人ばかり…
誰も、私なんか見てくれない
?「嘘ついて…」
「私が看取った」
静かに目を閉じていく父を…
どんどん冷たくなっていく父を…
私は目の前で見ていた…
葬儀の時も…私は約束通りにずっと笑った…
だけど、周りの大人はそれをおかしいと言う…
意味が分からなかった…
約束を守っているだけなのになんで?って…
その時の私はまだ子供だったから…
普通なら親が死んだら泣くものなんだ…
大切な人ならなおさら…
「真実ですよ?(ニコ」
お前もおかしいと思うだろ?
自分の父親が死んだのに笑う奴なんて
可笑しいと思って、気味悪がって離れる…
きっとすぐに捨てるんだろ…
なら、今ここで、捨ててくれ…
?「お前は…」

