シンデレラタイム



イメージだけど、ビーチバレーとは名ばかりで、普通は浜辺でビーチボールを落とさないようにキャーキャーするものだと思ってた。



理想と現実は違うとはよく言ったもんで。


みんなめっちゃくちゃ本気でバレーしてて笑った。



何だろう、あたしのクラスの女子はそのキャッキャ感が皆無だ。いや、いいんだけど。



女の子らしさ、というよりライオンのような野生児って感じがする。それが付き合いやすい所以ではあるのかも。



暑さにかまけて何もしないのは勿体無いから、ビーチバレーにも参加することにした。


さ、始めますか!と意気込んでたあたしに安田が話しかけてきた。



「沙凪。水着それなの?」

「へ?うん。」

「女子高生なんだから、気使わなきゃダメでしょうが。」




もはや服のような水着姿のあたしとは違って、大体みんなビキニ。


そりゃそうか。折角の海だし、臨海学校だし、男子もいるし、みたいな?


んなこと言ったってスタイル言い訳じゃないしなあって思いながら、気にせずビーチバレーに打ち込んだ。



砂に足をとられて動きにくいし、汗もすごいし。

けど楽しい。




休憩したときにみんなで写真を撮ったりした。いつもみたいな、騒がしい写真。



思い出が形に残るのって何だかいいなぁって思った。