ボールの投げ方とか、バッドの振り方とか、昔めちゃくちゃスパルタで教えてもらったもんなあ。
柊太と一緒に、公園で練習したのを覚えてる。
「そのソフトボール部で、仲良い人はいるの?」
「鉢屋(はちや)。」
「え?ブンブン?」
「お前知らなかったの?」
ブンブンこと鉢屋さんは、おじさんの仲良しの人でもう普段からしょっちゅう我が家に来るおっさんだ。
小さい頃からお世話になってるから、遠慮も何もお互いないし、親戚のおじさんみたいな気楽な関係性でもある。
おじさんが忙しいときに幼稚園のお迎えに来てくれたり、病院に連れて行ってもらったり。
授業参観来てたときもあったなぁ。
おじさんと2人で授業を並んで見てるの。
そして言うまでもなく鉢屋のハチから、センスのないブンブンというあだ名が、あたし達兄妹の中でつけられた。
「ブンブンがおじさんの仲良しなのは知ってたけど、部活同じまでは知らなかったかも。」
「まじか。」
まじだ。
「あ、それで思い出した。明後日の夜にまた来るってよ、鉢屋。」
まじか。


