「埜々香ちゃん、西塔くんと付き合ってるの?」

ある日、木下女史が言ってるのが聞こえてきた。

「西塔くんですか?それデマですから。
同期ですから、たまぁにご飯に行ったりしてるだけですよ?」

「まあ、そうよね。
でも、結構噂が広がってるみたいね。」

「困っちゃうんですよね。
仕事に支障がでたらどうしてくれるんですか!
あ、木下先輩に言う事じゃないですね。

でも、違いますから噂聞いたら否定しておいてください!」

「埜々香ちゃんは、誰か好きな人いないの?」

「あ~、恋愛ってよく分からないんですよね、私。」

「初恋もまだなの?
恋愛話でも出れば、噂も無くなると思ったんだけど、それじゃあ、無理かな。
ま、根も葉も無いことなら、すぐ消えるから。」



二人のそんな会話が聞こえてきてた。

西塔と噂になっているが、デマなのか。

初恋もまだ経験してない位にウブなのか。

どんどんと、埜々香が欲しくなる。

こんなオジサンだけど、ロックオンしても良いだろうか。

まだ、ただの気の良い上司でいられる。

彼女の事を諦めるのには、最後のチャンスだろう。

このまま、俺の思いをフェードアウトさせるべき、なんだろうな、、、、、。