「なあに?信哉。」

首だけがこちらを振り向き確実に私達の方へ歩み寄ってくるのだ。

「あ、あ、あい……逢奈……うわぁあああああ!!!!!」

「どうして!?どうして私から逃げるの!?置いていくの?!」

叫ぶ様に私達へ話す逢奈。
すると……



「はぁ、面白くないなぁ?」



この声は?
私でも茉莉でも逢奈でも佳菜でもない
信哉でも真冬でも悠人でも詩唯でもない

つまり……

私達の他に、誰かがいて。
私達を面白がっている、という意味だ。

“ 逃げなければ ”
と私の本能が言っている。
逢奈には悪いが逃げることしか出来ない。

「逢奈ァ!!!!!ごめんなさい!!!!!!!!!!皆逃げよう!少しでも遠くへ!」