「健太郎、俺と出会ってくれてありがとう。
俺、忘れないよお前のこと」
「なんだよ…お別れみたいなこと言って…」
「お前がどう思おうと、お前は俺の永遠の親友だ。
健太郎…」
俺は一歩ずつ、健太郎に近づく。
健太郎は後ずさりした。
「な、なんだって…おかしいよ?」
健太郎は戸惑っていた。
俺は健太郎の両肩を掴んだ。
そしてしっかりその目を捉えた。
「健太郎…俺を…許さないでくれ。だけど…俺たちを救ってくれるのは健太郎しかいないんだ…」
「卓…?」
「いつだってお前は俺の道しるべだ…
大丈夫。ここで俺も…心を捨てるから」
涙が出てきた。止まらなかった。
「お、おい…」
「健太郎…健太郎…お前はどうだった…?俺と過ごした今まで、どうだった?」
「どうって…楽しかったよ?俺も卓といる時間が一番長かったし…
これからもそれは変わらないと思う」
「そう…だよな」
「俺だって卓に何度も救われてきたよ。卓が居なきゃ俺はここにいないと思ってる。
どした?悩みでもあんの?」
健太郎はいつだって優しい。
俺。大変なことしようとしているんじゃないだろうか。
でも…
道はいくつもない。
この道しかないんだ…
「いつか話すよ。 その時健太郎の答えを聞かせてくれ。
俺の今までは、正しかったのかどうか…」
「なあ、お前大丈夫?」
何かを察した健太郎は心配そうに俺を見た。
「今までありがとう。また会おうね」
俺は強く、その肩を押した。