「わかるよ…諸説あるけど…一番有名なのが」

そう言って瀬川は俺に本を持たせたままページをめくり、あるところで止めた。

そこに書いてあったのは…


「『人の死を覆すには新しい魂が必要』」


瀬川がその文章を読んだ。


衝撃的だった。

「新しい…魂…?」

「うん…つまり人が死ぬのは運命だからその運命を覆すには違う魂を捧げよってことだと思う…そうすれば人間が死ぬのには変わりないってこと」

「え…」


つまり…日和を助けるためには…俺の魂が必要…ってこと…?


そういう…ことか…


「な、るほど…」

「本当に好きなんだね、こういうお話」

瀬川が微笑む。

「あ、ああ…」

変な汗が背中を伝う。