6時間目が終わり、帰る時間になる。
「日和、暇だろ?」
日和が暇なことはわかりきっている。
「え?うん…」
「俺んち来い」
「卓の家?いいけど…」
その答えを聞いた瞬間、俺は日和の腕を掴んで教室を出ていた。
「卓?そんなに何を急いでるの?」
俺の早足の後ろにいる日和の戸惑った顔が目に浮かぶ。
「ずっと急いでるよ、ずっと」
昇降口まで来て日和から手を離した。
「歩くの早いし…何したの?」
呼吸を少し乱しながら日和は靴を履き替える。
「ああ、ごめんごめん」
「私はいなくならないよ」
全く…と、少し呆れがちに日和が笑う。
いや…お前は…
目を離せばいなくなるよ。
すぐに、俺の前からいなくなるだろう。
俺を置いてどこかへ行くんだろう。
俺が見てないとお前は…
「そうか…」
俺も履き替えながら日和に返事する。


