それからはスローモーションに見えた。 大きめの乗用車くらいの岩が日和めがけて落ちてくる。 日和が気づいた時には彼女の目の前まで来ていた。 俺が岩に気づいて叫び、日和に向かって走り出した時には、岩はもう日和の目の前だった。 そして 地割れするかのような大きな音をたてて、岩は俺の目の前で日和を潰した。 「……そんな……」 そして岩に下敷きにされた日和から、赤い血が俺に向かって流れ出す。 「日和…」 日和の血が、俺のローファーを赤く染めた時、俺は腕時計を見た。 5時10分だった。