危険地帯




男を倒した僕にそう声をかけてきたのは、アッシュゴールドの髪色が闇夜の中では一際目立っていた深月だった。



『そうだけど?あんたも女を取られたーって言うの?』


『ハッ、んなわけあるか』



初めて会った時から、なんとなく感じていた。


深月の不思議な雰囲気を。


影でこそ光る強さを。



『じゃあ、何の用?』


『お前さ、黒龍に入らないか?』


『えー、めんどい』



黒龍の名は聞いたことがあった。


最近、神雷にやられたとか何とか。



そんな弱小な暴走族に入る気なんて、さらさらありませ~ん。



『そう言わずに、一緒に暴れようぜ』



ギラリ、と深月がつけている両耳のピアスが光る。


深月はニヤリと、決して優しくも温かくも、ましてや穏やかでもない、冷たい笑みを見せた。