「黒龍の奴らに絡まれてたんだよ」


「あいつらが好き勝手言うから……!」


「黒龍?」



恭弥という人と蜜という人は神雷の総長に言い訳をするように口を開いた。


黒龍という言葉に反応した神雷の総長は、私達へと視線を移した。


彼に見られただけで、胸がドクン……と不吉な予感を駆り立てるように跳ねる。




「まさかあんたにまで会えるとは思わなかったよ、神雷の総長の雅 岳斗【ミヤビ ガクト】さん」




深月はわざとらしく“さん”付けをして、黒髪の神雷の総長の雅岳斗という人をじっと見つめる。


睨み合う、神雷と黒龍の総長達。



数秒後、その視線を先に逸らしたのは、神雷の総長の方だった。



「行くぞ、お前ら」



目を伏せながらそう言った神雷の総長に、恭弥という人と蜜という人は「え!?」と声を上げた。