危険地帯





「やっぱり一般人なんじゃねぇか!さっさと解放してやれよっ」


「いい人ぶってんじゃねぇよ」



恭弥という人が強く言うと、深月は顔を歪めて呟いた。


私の肩から手を離した深月は、一歩前に出て神雷の二人に鋭い視線を向けた。


深月の背中から伝わってくる気迫に、私の震えた心は圧倒される。




「俺らと同じ不良だってのに警察の真似事なんかして、おかしいんじゃねぇの?」




深月の神雷を冷やかすような口ぶりに、神雷の二人の顔つきが強ばる。


からかっているような口調なのに、深月の声は力強く聞こえる。




「俺達はどう足掻いたって不良なんだよ。平和だの何だの言ってんじゃねぇよ。その平和をぶち壊してんのは俺達だろうが」




神雷の存在を、彼らが掲げている正義を、彼らの全てを、深月は全否定した。


神雷を嘲笑う深月の薄い黒の瞳は、揺れることなく真っ直ぐと神雷の二人を見据えていた。



見下しているようで、本当は違うんだ。


ただ、自分の考えをぶつけただけ。


言い方はきついけど、きっとそれだけなんだ。