「えぇ、もう終わりー?早すぎだよ~」
「あっという間だったな」
10人もいた不良は、ほぼ全員倒れていた。
物足りなさそうな律と司は、息一つ乱れていなかった。
「あ?もう限界か?」
深月は馬乗りになって、不良の顔面を何度も何度も、血反吐が出なくなるまで殴りつけていた。
司と律が、深月を止めることはなく。
深月は悪魔のように笑いながら、相手の意識が途切れるまで暴力を振るい続けた。
……おかしいよ、こんなの。
狂ってるよ。
もうボロボロで気絶してしまいそうな人を、まだ殴るなんて。
恐怖のあまり、泣いてしまいそうになった。
黒龍の実力を目の当たりにして、全身が震える。
一方的すぎる喧嘩は、わずか一瞬の出来事のようだった。
楽しいから。暇だから。そんな理由で拳を振るう人達のそばにいなければならない自分の運命を、呪いたくなった。



