深月の挑発にムカついた不良が、三人に襲いかかる。
「お前は邪魔になんねぇとこにいろ」
「わ、わかった」
深月の命令に従い、私は大通りの脇に移動した。
そこから見た光景は、あまりにも酷いもので。
口を覆う手のひらは、震えていた。
黒龍の存在は、同じ不良にとっても厄介で危険なものなのかもしれない。
だから、黒龍と聞いただけで、喧嘩をしている。
黒龍を消そうと、やっつけようと、闘っているんだ。
でも、黒龍が喧嘩するのは、ただの退屈しのぎにすぎない。
真っ黒に染まる黒龍の喧嘩は、とても荒々しかった。
ドスッ、と誰かを殴る音が、耳を突き刺す。
鈍い音が止むことはなく、私は耳を塞いで、音を遮断した。
私には、喧嘩をする意味が、暴力を振るう意味が、わからなかった。



