「……行くか」
トランプをテーブルの上に投げて言った深月の声が、静かな地下によく響いた。
それを合図に、三人はソファから立ち上がる。
行く、ってどこに?
「羽留も来い」
「え?」
深月が私を誘ったのは、おそらく、私一人がここに残って逃げられるのを阻止するためだ。
私はその誘いを断るわけにもいかず、階段を上っていく三人についていくことにした。
地下から出ると、何とも言えない解放感が私を包んだ。
空の下、グッと伸びをする。
ふわりと吹く風、藍色の空、蝉の声。その全てが、私に生きていることを教えてくれた。
三人を見た、廃ビルを守るように立っている男二人は深くお辞儀した。
しかし、三人は男二人を無視して、先へと進んでいく。
お辞儀をした男二人も、黒龍の人なのかな。
改めて、三人は黒龍のトップに君臨しているのだと、実感させられる。



