私の指と深月の指が、触れた。


今だけは、“闇”なんてここにはない。



彼らを取り巻く悪い噂は、完全に消えはしないだろう。


世間の彼らの認識が、簡単に変わることもないだろう。



それでも、私だけは黒龍を信じ続けるよ。


私だけは、黒龍の味方であり続けるよ。


アイツが私にしてくれていたように。



そばにいるということは、つまりそういうことでしょ?




『――あんたなんて、』



あの言葉を忘れることはできない。


けれど、もう二度と思い出すことはないだろう。



『独りは嫌だ。ずっとそばにいてくれる存在が欲しい』



叶った願いを、アイツの存在を、胸の内側にある宝箱にしまいこんだ。



条件も、期限も、必要ない。


負った傷の分、流した涙の分、許し合って、支え合って生きていこう。


大切な人と、一緒に。