私も深月の背中に手を回そうとした、その瞬間。
「あーーー!!!」
地下に響いたのは、鼓膜を破ってしまうんじゃないかってくらい、どでかい声。
顔だけ振り向けば、そこには神雷のたまり場から戻ってきた司と千歳と、それから口を大きく開けている律がいた。
「何してんのさ、リーダー!!羽留、その野獣から今すぐ離れて!」
「うっせぇよ、律」
深月は、律の大声を無視して、腕で私をがっちりと抱いて、私を離そうとしなかった。
そのせいで、律の怒りを煽ってしまう。
「うぅ、司~」
「俺は何もしないからな」
「じゃあ、千歳でいいや~。リーダーから羽留を奪回せよ」
「なんで俺!?」
深月の向かい側に座った司は、ため息をついた。
律に指示されて、千歳はうんざりしている。



