危険地帯





すると、深月が私の腕をいきなり引っ張った。


突然のことに驚く私。


深月は、私を隣に座らせた。



「み、深月、どうし……」



私が「どうしたの」と全て言い終える前に、無邪気な笑顔を見せた深月は私を抱き寄せた。


腰に回った深月の手は、ギュッと私を包む。



「深月?」


「……」


「えっと、あの、」


「……このまま、もうちょっと」



この瞬間を、両思いの奇跡を忘れてしまわぬように、私を独り占めするように、私を抱きしめる深月に、愛おしさを感じた。


緊張感がほぐれていって、目尻が下がっていく。



あぁ、もう。


深月のことが、大好きだ。