深月は頬杖をつきながら、私に視線を向けた。
「お前が結婚する時、お前の隣にいるのは俺だろ?」
…………え?
今、なんて?
私の脳に、深月の声がたどり着いたのは、私がピタリと動きを止めてから約30秒後で。
「う、羽留、今言ったこと聞こえたか?」
「い、今のって、こ、ここ、告白?ま、まさかね」
「……やっぱ、直接じゃねぇと伝わんねぇか」
動揺している私。
赤面する深月は、ビー玉のような薄い黒の瞳に私を捉えた。
ドキッ、と甘く高鳴る心臓。
え?え?
さっきのって、やっぱり、告白……なの?
期待と、自惚れと、不安と、困惑。
それらの感情が爆発しそうなくらい膨れて、衝突し合う。



