私は、こんなにも大切にされていた。
こんなにも、愛されていた。
『独りは嫌だ。ずっとそばにいてくれる存在が欲しい』
素直な涙を見せられる人。
無条件で愛してくれる人。
“誰か”では、意味がない。
私も愛したいと、そばにいたいと思える人でなければ。
今この瞬間、幼くて純粋で儚い願いが、本当の意味で叶った。
ううん、違う。
――“また”叶った。
「本当に本当に、ありがとう」
私達は、不器用だね。
複雑で、すれ違って、悩んで、逃げて、迷って。
それでも、たくさんの「大好き」が集まった、かけがえのない家族だ。



