「わ、私、寂しくて、苦しくて……っ」
途切れ途切れでしか紡げない言葉が、もどかしさを募らせる。
お父さんと鈴子さんと麻妃ちゃんの体温を、感じる。
「それで、つい逃げちゃって」
ぶつけた本音を、皆は黙って聞いていてくれた。
伝えたい。
逃げた時間も、決して無駄ではなかったこと。
生きる意味を見つけたこと。
知らなかった、温もりのあったかさも。
まだまだ、いっぱいある。
でもね。
その前に、どうしても言いたいことがあるの。
「お父さん、鈴子さん、麻妃ちゃん。心配かけて、ごめんなさい。それと、心配してくれて、ありがとう!」



