え?今、頬をぶたれた?
目を丸くしていたのは、私だけではなく、お父さんと麻妃ちゃんもだった。
「心配したのよ!?」
鈴子さんは瞳をうるうると潤ませて、大声でそう言うと、ギュッと私を抱きしめた。
心臓が、ギューッと締め付けられる。
「羽留お姉ちゃん」
「……麻妃ちゃん」
「無事でよかった」
麻妃ちゃんも横から私を抱きしめてくれた。
穏やかな笑みを浮かべるお父さんは、
「今までずっと、心細い思いをさせてごめんな」
と言って、私の頭を撫でた。
私の目から、ポロポロと涙がこぼれ落ちた。
止まる気配のないその涙は、私の赤くなった頬の痛みを和らげるように、頬を流れていく。



