「羽留の言う通りだな。僕は羽留の父さんなのに、羽留の気持ちを何も知らなかったし、今もわからない」
直接言われて、ズキリ、と心臓が痛む。
するとお父さんは、下唇を噛む私の肩にポンと手を置いた。
優しくて温かい、お父さんの手。
「だから、教えてくれ」
「え……?」
「これからは、本音を隠さずにぶつけてくれ」
あぁ、そうか。
私は、わかり合おうとしなかったんだ。
伝えようと、しなかった。
わかってほしい、気づいてほしい、知ってほしい。
そう思っていても、声には出さなかった。
涙で濡れた感情を、叫んでいた気持ちを。
押し殺していたら、伝わるはずないのに。



