相談しなかったのは、する暇も惜しいくらい、早く籍を入れたかったから?
全部、私のため?
「新しい家族ができることを、羽留なら喜んでくれると思って、あの日鈴子さんと麻妃ちゃんを呼んだんだ」
私なら大丈夫だって、私を信じてるって言葉は、私のことを心の底から思っていたから?
嘘でも偽りでも、この場だけのお世辞でもなくて?
薄っぺらい信用なんかじゃなかった。
私が、そう思い込んでいただけだった。
「で、でも、私のことなんて何も知らないくせに……!」
……そうだよ。
お父さんは、私が泣けなかったことも、孤独を感じていたことも知らずに、「大丈夫」なんて言っている。
そんな、能天気な人なんだ。
どうしてお父さんは、何も知らないのに、私のことを信じられるの?



