危険地帯




心配だったから、強引に家に連れ戻したの?


私と一緒にいたのが、深月達だったから?


不良だったから?



「私が病院から抜け出した後だって、連絡ひとつくれなかったじゃん!」



心配なら、電話でもメールでもしてくればいいでしょ!?


私は、ずっと待っていたんだ。


改めて、私の存在はどうでもいいんだと思い知らされても。


気にしないようにしても。


それでも、寂しくて。


携帯の画面に、「お父さん」という文字が出るのを、待ち続けていた。


……バカみたいだ。



「できなかったんだ」


「え?」



お父さんは、病院で言ったものとは違う答えを、小さく呟いた。


前は、私なら大丈夫だって、都合のいいことしか言わなかったのに。