頭の内側が、ガンガンと打ちつけられているように痛い。
私は、お父さんから視線を逸らした。
俯く私に、大きな影が覆いかぶさる。
反射的に顔を上げると、お父さんが目の前まで来ていた。
「っ、」
お父さんの揺れる瞳と、私の瞳が重なる。
やめてよ。
そんな、心配してそうな目で、私を見ないでよ。
お父さんは、私の腕をグッと強く掴むと、家がある方向に黙って歩き出した。
「ちょ、ちょっと、待って!離して」
「羽留っ!」
お父さんの力に逆らえず、深月の声に何も返せず、深月達に助けを求めることもできなかった。
突然のことにどうすることもできずにいる深月達を見つめながらも、私はお父さんに引っ張られるがままだった。



