千歳は「わかったよ」と渋々了承し、とある売人としての行動を一切しないことを約束した。
こうやって、小さなことから積み上げていけば。
そうすれば、いずれ大きな一歩になっていく。
大切なのは、変化を怖がらない覚悟と勇気。
そして、自分の気持ちだ。
繁華街の路地を通り、いくつかの曲がり角を曲がる。
すると、繁華街の通りに出て、博さんのカフェがすぐ近くにあった。
深月達はまた路地に入って、路地裏に行こうとしていた。
私もあとを追おうとしたその時。
「――羽留!」
聞こえるはずのない声が、かすかに聞こえてきた。
私は、思わず足を止める。
え?
今の声って、まさか……。



