危険地帯






翌日の夕方、私達は繁華街に来ていた。


深月は退屈しのぎだとか言ってるけど。


きっと、忍者である千歳が黒龍に入ったことを噂として流そうとしているのだろう。



「おい、千歳」


「ん?」


「お前、今でもクスリ売ってんのか?」


「あぁ、儲かるからな」


「ふーん。じゃあ、これからは売人やめろ」



深月の突然の命令に、千歳は口をパクパクさせる。



「なんで?」


「お前はもう黒龍の幹部なんだ。売人なんかして、麻薬を売ってるとか誤解されたら、迷惑すんのは俺らなんだぞ?」



深月は、壊そうとしているんだ。


今までの、黒龍の“悪”のイメージを。