律はう~ん、と唸りながら、顎に手を添えて考える。



「あ、“ニンニン”はどう~?忍者っぽいでしょ?」


「それより、“おせち”なんてどうだ?ほら、忍海千歳の中に“お”と“せ”と“ち”があんだろ?」


「えぇ、じゃあ“オッシー”はー?」


「いやいや、だったら“くのいち”の方がいいんじゃねぇの?」


「リーダー、それ女だよぉ?あははっ」



ネーミングセンスのない律と深月が、忍海さんのあだ名で盛り上がる。


どんどん、二人が考えるあだ名が変なものになっていった。


司は、二人を無視して読書を始めてしまって。


私は二人を止めようか迷ったが、「まあ、いっか」と放っておくことにして、司と一緒に読書をすることにした。



忍海さんは、二人が考えたあだ名を全て却下して。


また、二人は面白おかしく、忍海さんのあだ名を考え始める。



結果、二人は面倒くさくなったのか、あだ名はやめて、普通に“千歳”と呼ぶことにした。


あだ名じゃなくなったことに、忍海さん……千歳は、安堵していた。