私の、黒龍に入る前と入った後の忍海さんの印象が、大分変わった。


忍海さん自身が、仮面を取った、ということもあるのだろうけど。


黒龍に入った後の忍海さんの方が、生き生きしていて、好きだな。



「いろんなクスリが作れるなら、一時的にでも喧嘩が強くなるクスリでも作ればいいんじゃねぇのか?」


「……あ、確かに」



司のアイデアに、忍海さんは真顔で頷いた。


そんな忍海さんを見て、深月と律はプッと吹き出して笑った。



「ははっ、気づかなかったとか、バカだろ」


「今の忍者の顔、やば~い!写メ撮っておけばよかったぁ」



大笑いする二人に、忍海さんは顔を赤くした。


明るい雰囲気が、私達を包んでいく。



「てか、自己紹介したのに、まだ“忍者”って呼んでんじゃねぇよ!」


「じゃあ、僕があだ名決めてあげようか~?」



ニヤリと目を細めた律。


忍海さんは、先程言われた通りに床に座って、「頼む」と律に言った。