私の場所を譲ってあげた方がいいかな?
そう思って、忍者をチラチラ見ていたら、深月が睨んできた。
「な、なに?」
「こいつに譲ろうとか考えてんじゃねぇぞ」
「えっ、あ、はい」
深月に私が考えていたことをズバリ当てられて、思わず目を丸くする。
なんでわかったんだろう。
私って、わかりやすい?
それとも、深月ってエスパーだった、とか?
……いや、それはないか。
「さっき、なんて言おうとしたの~?」
「あ、言おうとしたこと忘れてた。そういえばさ」
深月は自分の後ろ頭に手を回して、横目に忍者を見ながら言った。
「忍者の本名って、何?」



