忍者は「やれ」と不良達に命じると、10人の不良が深月達を傷つけ始めた。
やめて、やめて!
傷つけるのも、傷つくのも。
見たくないよ。
「どうして、ここに来たの?深月達は、正義もヒーローもあんなに嫌がってたじゃん!」
私は、たまらなくなって、また叫んだ。
忍者のナイフが、私との距離を詰める。
殴られ続けている三人は、なぜかフッと笑った。
「……確かに、今も嫌いだ」
そう呟いたのは、司だった。
今も嫌いなら、どうしてここに来たの?
ここに来るメリットなんて、何もないのに。
「でもねぇ、羽留を助けたかったんだ~」
律は痛い思いをしているのに、余裕そうに瞳で私を捉える。



