そんなの、うまくいくはずない。
だって。
「黒龍は私を助けに来たりしないですよ」
「どうしてそう思うんだい?」
忍者はキョトンとした顔をして、首を傾げる。
まるで、言っている意味がわからない、とでも言うように。
私は、黒龍の一番近くにいたから。
誰よりも、彼らの意思を知っている。
『俺達はどう足掻いたって不良なんだよ。平和だの何だの言ってんじゃねぇよ。その平和をぶち壊してんのは俺達だろうが』
『僕らは正義のヒーローになんてものにはなりたくないから、助ける振りをするだけ』
ずっと、聞いてきた。
彼らの、真っ黒な心を。
何があっても崩壊しない、信念を。
今まで恐怖を抱いていたから、わかるんだ。



