――そうだ、思い出した。
忍者に眠らされていたんだ。
「何をするつもりなの?」
忍者と距離を取って、問いかける。
幸いなことに、腕も足も縛られていない。
これなら、逃げられる……!
そう思ったけれど。
「逃げないでよー」
忍者は、私の問いには答えず、瞬時に私の前まで近寄った。
そうだった。
忍者は、本当の忍者のように足が速くて、瞬発力があるんだった。
おまけに、周りの動きに敏感で、隙がない。
「ねぇ、後ろ見てみて」
「後ろ?」
忍者に言われた通り、後ろを見てみると、そこには50人程の人がいた。
さっき、目を動かしただけでは気づかなかった。
……あれ?
よく見たら、行方不明だった黒龍の人達もいる。



