三人がいてくれたから、こうやって泣けるんだよ。


三人だから、過去を打ち明けた。


ここに来なければ、私は今もまだ膝を抱えて、耳も目も塞いで、傷ついていた。



「泣いた後は、笑え」



深月に続いてそう言ったのは、茶色い目を細めた司。


私が泣いたら、涙を拭ってくれる人がいる。


手を伸ばせば、その手を取って、握ってくれる人がいる。


こんなにも近くに。



「僕も羽留の笑顔が見たいな~。泣き顔も可愛いけど、笑顔の方がもっと可愛いもん!」



律は、私にニコニコと明るい笑顔を見せた。


なんとなく、アイツも嬉しそうに笑っている気がした。



ここが、私の居場所。


私の生きる意味は、生きていたい理由は、ここにある。


ずっと、皆のそばにいたい。


そして、私のそばにいてほしい。



頬を伝う涙から、温もりを感じた。


私は、くしゃりと目尻を下げて、微笑んだ。