危険地帯




深月の真っ直ぐな言葉は、私の心の傷に響いた。


どうして、そんなことを言ってくれるの?


お母さんも、お父さんも、言ってくれなかった言葉を。



目頭が熱くなる。


喉の息苦しさが、消えていく。


本当に、そばにいてくれる?



「……いいの?」



寝室の扉が開いて、ホットミルクを持ってきてくれた司と、可愛いうさぎ型にりんごを切ってくれた律が、再び寝室にやって来た。



「もっと頼っていいの?」



わがままを言って、誓いがなくなった今でも、ここにいさせてもらってる。


それだけで、十分嬉しいのに。


三人は、ただ優しく微笑んだ。




「私ね、ずっと寂しかった」




雫さんのように笑顔で語れないけど、ちゃんと話せるかわからないけど。


深月に、司に、律に。


聞いてほしかった。


忘れたくても忘れられない、悲しみでいっぱいの過去を。