危険地帯




寝室にあるデジタル時計は、私に午後4時を教えてくれた。


皆に、心配かけちゃった……。


私がもっとしっかりしていれば、気絶することもなかったのに。



「何か飲み物でも持ってくる」


「じゃあ僕は、りんごでも切ってあげようかな~」



珍しく律も、司のあとを追うようにキッチンへ移動した。


深月と二人きりになった寝室で、深月が口を開く。



「寝言で『ごめんなさい』って、すげぇ辛そうに言ってたぞ」



見ていた夢が、お母さんが去っていった時のことだったからかな。


それとも、私の中にある罪悪感が、無意識にそうさせているのかな。



「羽留」



黙り込む私に、揺らぐことのない瞳を向ける深月。




「お前が辛い時、俺らはお前のそばにいる。だから、俺らのことをもっと頼れ」