忍者が黒龍のたまり場に忍び込んだ日から、今日で一週間。


掴んだ手がかりは、どれも曖昧で不確かなものばかり。



行方不明の黒龍の下っ端の人達が戻ってくることもなく、とある売人の目撃情報も手に入れられないまま。


忍者が今、どこで何をしているのかもわからない。



残された足跡をたどろうとしても、途中から足跡は消えている。


誰かが私達をどこかで監視していて、黒龍を狙って練られた企みに繋がる道を阻止しているのではないか。


そう思ってしまうくらい、一向に進展しなかった。





そして今日も、私と律、司と深月の二手に分かれて、午後から繁華街で調査を始めた。


太陽が照りつける、真夏の空の下。


混雑している繁華街を進んでいく。



「神雷も僕らと同じように、忍者とクスリの売ってるとある売人のことを調べてるらしいよ~」



太陽の光を嫌う路地裏に入ると、律が先日掴んだ噂を、興味なさげに呟いた。