深月の瞳が、瞬く間に、闇色へと変わっていく。


でも私には、なぜか深月が泣いているように見えた。



「その時、心底思ったね。地獄に堕ちろって」



もしかしたら、地獄にいる悪魔に命を捧げたのは、深月の方だったのかもしれない。


“悪”とは正反対だった司と共に、深月は自ら闇へと堕ちたんだ。


白い側から黒い側へ。



きっと、その時だ。


深月から、「信頼」の二文字が消えたのは。


そして、白い側に嫌気がさして、心を閉ざしてしまったのは。




「それで俺と司はひねくれちまったってわけ。おしまい。……どうだった?つまんなかったろ」




深く息をついた深月はそう言うと、横目に私を捉えた。


さっきまでの低い声とは違う、明るい声。


いや、から元気な声だ。